合気道 神戸せいぶ館|合気会|笑顔があふれる楽しい道場

神戸
せいぶ館

全国合気道指導者研修会  nag

 1124日の3日間、千葉県勝浦にある日本武道館研修センターでの全国合気

道指導者研修会に参加してきました。

 初日は昼集合。開講式の後、まずは植芝守央道主による、合気道についての講

義。講堂の後方に畳を敷いたスペースが臨時に設置されており、合気道の稽古の

実演(指導者が技を見せた後、4回で受け取り交代しながら稽古する)を見なが

ら、合気道の歴史や理念等の説明を受けました。その後、道主の模範演武もあり、

こんな所で道主の演武が見られるなんて!と思わぬ幸運に心の中でガッツポーズ。

初めて生で合気道を見たという参加者には、その迫力が驚きだったようです。

 その次は、「生涯スポーツにつなげる合気道の授業」。大人になっても合気道

を楽しむ人になってもらうにはどうすればいいか、という講義でした。学校の体

育の授業が楽しくないために、スポーツ嫌いになる人がいます。日本人は真面目

過ぎるスポーツ観にとらわれ、「楽しむこと」を悪いことの様に感じる傾向があ

る、というのは、なるほどと思いました。合気道を好きになってもらい、楽しん

でもらうには、面白い、やってみたいと思わせる授業にすること、それには、合

気道の特性(試合がない、相手の力を利用する、受けと取りの両方を行う等)を

活かせるのではないか、というお話でした。

 2日目の朝。たった今稽古してきましたという風な人を廊下で見かけたので聞

いてみると、朝6時から7時まで、有志で自主稽古しているとのこと。この研修会

は毎年参加されている方も少なくないそうで、2日目と3日目の朝はいつも自主稽

古しているということなので、同室の人にも話して、明日の朝は参加しよう!と

決めました。

 この日の午前の講義は、武道場で行われる「中学校合気道指導法」と、講堂で

の「全国指導者研修」の二手に分かれました。どちらを受講してもいいのかなと

思ったら、各都道府県の合気道連盟の代表(つまり各都道府県から複数行ってい

る場合はその中の一人)は「全国指導者研修」に、それ以外の人(中学教員及び

連盟の代表以外)は「中学校合気道指導法」に出る、ということでした。兵庫県

は私一人しかいなかったので、自動的に「全国指導者研修」に出ることになりま

した。

 「全国指導者研修」は、受講者が地域別に6グループに分かれ、各グループで

「セクハラ・パワハラの事例と対策」をディスカッションし、それを紙に書いて、

グループごとに発表する、という内容でした。私の所属したグループ(計5名)

で、セクハラ・パワハラの事例として挙がった一つは、子どもクラスで多動傾向

のある子が走り回ったり寝転がったりして稽古の邪魔になるため、その都度正座

をさせているが、これは体罰に当たるか?というもので、対策としては、正座を

罰として与えるのではなく、精神集中力を高め、呼吸を整える手段とする、とい

うことになりました。また、稽古中に起こり得る男女問題として、例えば胸取り

の場合は、同性同士で組むようにする、肩取りに変更する、等の意見が出されま

した。

最初、試合のない合気道では、パワハラ事例はそれほど多くないのでは?と思っ

ていましたが、その後、他のグループの発表を聞いていくと、そういえば以前そ

ういう話も聞いたことがあるなと思い当たる事例がいろいろあり、セクハラ・パ

ワハラについての認識を新たにしました。もちろん、合気道だからというわけで

はなく、一般に学校や職場等、どこでも起こり得るセクハラ・パワハラもたくさ

んあります。

昼食の後、午後の研修では、実際に授業で合気道を教えている中学校教員の方に

よる発表がありました。せいぶ館で行っている女子中学生への授業は手伝いを含

3人以上でやっていますが、教員の方々は一人で教えているので、大変だと思

います。また、途中で相手を変えて練習しているのか気になって質問してみまし

たが、相手は変えずにやっているということでした。学校の授業で、道場の稽古

のようにやるのは難しいと改めて感じました。

その後は、中学校武道必修化に関するDVD鑑賞。

授業で行う武道は柔道・剣道・弓道・相撲・空手道・合気道・少林寺拳法・なぎ

なた・銃剣道の9つから選択できますが、配布された資料のアンケート結果(公

立校のみ)によると、現在最も多く行われているのは柔道、次が剣道で、この2

つが9割以上を占めており、合気道はまだまだ少ないです。ただその特性から、

女子学生に採用されることが多いように感じました。

この日最後の講義は、金澤師範による武道場での合気道指導法。技をどのように

教えるか、動きを一つ一つ段階的に確認します。片手取りすみ落とし、入り身投

げ、小手返し、正面打ち一教、座技呼吸法。最後に日野指導員から、タオルや

ボールを使った練習方法の紹介がありました(これは昨年と同じ内容ということ

でしたが)。タオルは、片手取りで相手の手を持つのを嫌がる場合、手の代わり

に、短く折ったタオルの両端を互いが持つというものです。ボールは投げられた

ボールを受け取った時に後ろ受け身の練習をするもので、稽古とは違い、授業で

はいろいろと工夫が必要なのだなあと思いました。

3日目の朝は、自主稽古に参加。二人で組んで5分間自由稽古、2分休憩してまた

別の相手と5分間自由稽古、というやり方で、楽しく稽古しました。

最終日の講義は、「宮本武蔵の五輪書に学ぶ」というものでした。武道関連とは

いえ、宮本武蔵のことはほとんど知らなかったのですが、宮本武蔵と決闘した小

次郎の姓は佐々木ではなく、小次郎が若い美青年というのはおそらくフィクショ

ンであるという余談が一番印象的でした。

これで3日間の研修は終了。

合気道の人、特に同室になった女性3人とは、合気道話で盛り上がって、いつま

でも話題が尽きず、とても楽しい経験となりました。

また、私はこの日、新宿に1泊して、翌朝の本部道場の朝稽古に参加してきまし

た。たまたまどこかの国の人が稽古の撮影に来ていたため、道主が模範演武を披

露。ここでも道主の演武を近くで見ることができ、久しぶりの友人とも会って、

稽古もできて、充実した研修旅行でした。

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