第53回 全日本合気道演武大会に参加して
10年前には「夢のまた夢」だった全日本に4回も参加させていただきました。せいぶ館さまさまです。
初めて参加したときの「無垢な目」に比べて、今回はかなり「ひねた目」になっていました。
かつて、結構なお歳なのに、きびきび軽々と、激しい演武をされる方々に見とれていたのですが、
今回は歳相応の演武をされる方々の渋さに目がいきました。観客の目を意識せず、自分らしい合気道を
あるがままにされている方々の演武に好感をもちました。思うがままに行っても「矩を越えず」という
昔の人のことばがありますが、こだわりもとらわれもない自ずからの動きが、そのまま深くて渋い合気道
になっているような演武に憧れました。
また、筋肉が良質なゴムでできているような若者たちの受けにも感動しました。特に、H中君の栗林師範
の受けには息を呑みました。
演武会後、ハイカラな場所での遠藤師範の慰労会に参加しました。他の道場の方々との交流という主目的を
完全に忘れ、バイキング(近年、その解釈は変わったようですが…)になりきり、飲み物食べ物を競って手元
におき、ひたすら飲み食いに没頭しました。でも、遠藤師範が「静かで大きく、しかも力強い演武を…」と
おっしゃっていたことだけは覚えています。確かに「静謐」は合気道の特徴だと思います。
ふりかえると、自分のないものばかりに目がとまった全日本でしたが、ほんとうに有意義な一泊二日の旅でした。(永)
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