合気道指導者講習会に参加して
今回の兵庫県(姫路市)地域社会合気道指導者講習会では、頭部外傷について
の講義がありました。柔道等で頭部外傷による死亡又は重篤な障害(寝たきり
等)が毎年のように発生していることから、合気道を含む武道の指導の際に注意
すべきことを教えていただきましたので、自分の復習も兼ねてここに書いておき
ます。
まず、頭部に衝撃を受けた場合、意識消失があれば、数秒~数分で意識が回復
したとしても、必ず救急搬送します。意識消失がない場合は、脳震盪チェックを
行います。自覚症状(頭痛・頭部圧迫感・頸部痛・けいれん・吐き気・めまい・
ふらつき・疲労・混乱・眠い・感情的・ぼんやりする等)があるか、短期記憶
(その日に起きた出来事等)の質問に答えられない場合、脳震盪の疑いがあるた
め、稽古は中止し、病院(脳外科外来)を受診します。特に高校生以下は必ず受
診すること、また、受傷直後に症状がなくても、しばらくしてから悪化すること
があるため、脳震盪後の運転はしないこと、誰かが一緒にいるようにすることが
必要です。
脳震盪以外のキーワードとして、加速損傷とセカンドインパクトシンドローム
という言葉を教わりました。
●加速損傷:頭をぶつけなくても、顔面打撲や激しい揺さぶり等で脳障害が生じ
ると考えられています。夏の水分不足や、疲労の蓄積によりリスクが上がる可能
性があります。
●セカンドインパクトシンドローム:一度目の脳震盪の後、二度目の脳震盪があ
ると、急激に重症化することをいいます。従って、スポーツにおいては脳震盪の
予防が非常に重要です。
あとは、初心者の後受身の指導の際に、「アゴを引く」よう声掛けをすると、
頭部保護に有効であるということでした。
実技の方では、なんと本部の師範と「組んで」稽古させていただくという信じ
がたい幸運に見舞われ(2日間で3回も!)、もうそれだけで、非常に貴重な体験
となった講習会でした。